ネットバンクの普及やメガバンクによる通帳レスの推進などにより、紙の通帳が徐々に姿を消しつつあります。通帳レスは、デジタル化された通帳情報を利用することで、預貯金の管理が簡便になるという利点があります。しかし、通帳レスにはいくつかの落とし穴が存在します。今回はその中でも、特に注意が必要な4つの落とし穴を紹介します。
まず、注意点1として相続対策の問題があります。通帳レスでは、通帳の情報がデジタル化されるため、もし亡くなってしまった場合、通帳が手元になければ家族が資産の存在を把握することができません。遺産相続において、適切な手続きや分配を行うためには、通帳の情報を正確に把握することが重要です。
また、注意点2として閲覧期間の制約があります。通帳レスでは、入出金履歴などの取引記録をWeb上で閲覧することができますが、閲覧可能な期間には制限があります。銀行によっては、数件や数年といった期間の制限を設けていることもあります。もし長期間にわたるお金の記録を保存したい場合には、紙の通帳の方が利便性が高いと言えます。
さらに、注意点3として紙の通帳との併用ができないという問題もあります。通帳レスに切り替えた場合、これまで使用していた紙の通帳は使用できなくなります。紙の通帳を再度使用したい場合には、窓口で再発行の手続きをしなければなりません。通帳の形式を変更することは、一度手続きを行う必要があるため、手間がかかると言えます。
最後に、注意点4として情報管理の難しさがあります。通帳レスでは、通帳の情報が電子化されるため、情報管理には紙の通帳よりも注意が必要です。特にIDやパスワードの管理には十分な注意が必要であり、これらの情報が漏洩すると自分の財産が盗まれる危険性もあります。また、2段階認証などのセキュリティ対策にも対応する必要があります。
以上が、通帳レスに潜む4つの落とし穴です。これらの問題点を踏まえると、通帳レスを利用する際には一定の注意が必要と言えます。メリットに惑わされず、自身のニーズや状況を考慮した上で、通帳レスにするかどうかの判断を行うことが重要です。